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今回のブログ担当は3班です。

今日の校外学習は、本来6月18日に予定されていて台風の影響で中止になった授業内容
今回、上田先生、会場のノア・アコルデ音楽アートサロン(豊中市)オーナーさんのご厚意
そして、何よりも両CDの熱意により復活・実現した校外学習だ。
感謝だ。

授業内容:チェンバロからピアノへ

繊細なチェンバロ、ダイナミックなピアノが今回の授業会場に響き渡った。
視聴覚室で聴く演奏とはまた違った感動だ。

最初はチェンバロの演奏
低音部と高音部の重なりの織り成す音楽
自分の好きなスチール弦の特有な音と短く響く音で展開する音楽
まるで2分された心に響き、それが融合するような感じだ。

自分が初めてチェンバロの音色を聴いた事を思い出す。
確か30数年前NHKFM早朝のバロック音楽、オルゴールに似た音色でなぜかこの曲たちによって一日快く過ごせた。それは、この楽器・作品に秘められたこの内容であったのかもしれない。

チェンバロは、音を重ねれば一定の大きな音が出せるが、弱音が出せない構造になっているらしい、それで弱音(ピアノ)を出せる楽器としてピアノが作り出されたらしい。
そういった説明を受けてなおさら、音楽表現を音楽三要素で奏で、演奏者・聴く人に感じる音の強弱を委ねた楽器の魅力をも感じる。

後半は、ピアノ演奏
前半でチェンバロが演奏された事もあって
ダイナミックな演奏に大感激

全体を通じて、この校外学習で感じた事は、
チェンバロの魅力そして弱音へのこだわり
弱音に込められたエネルギーを感じる音楽鑑賞でもありたい。

-----------上田先生の講義録 -----------
音楽サロン「ノワ・アコルデ」にて、久保田彰氏製作のチェンバロとグランドピアノを演奏しました。実物を見ながら、楽器の構造の違いや時代との係わりについてお話し、バロックと古典派の鍵盤楽曲の諸相を鑑賞していただきました。
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チェンバロもピアノも、弦を張った箱に鍵盤を組合わせて作られた楽器で、ルーツを辿れば、一弦琴、チター、ツィンバロン、ダルシマー等に辿りつきます。チェンバロは、鍵盤を押すとジャックが2ミリ程度上がって、その先端に付いた小さな爪が細い弦を弾いて優雅な美しい音を鳴らすシンプルな仕組みで、音量の変化をつけにくい楽器ですが、3つのレジスター、2段鍵盤、リュートストップなど色々な仕組みを使うことにより、繊細、華麗、躍動など多様で豊かな表現が可能となります。優れた楽器ではありましたが、ダイナミックレンジが非常に狭いため、作曲家は沢山の音を用いて、演奏家はテンポに緩急をつけること等によって表現方法を工夫する必要がありました。この機能的な限界を越える努力の過程でピアノが考案され発展したのです。
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【チェンバロ演奏】
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J.S.バッハ(1685-1750)
 ◇平均律クラヴィア曲集第Ⅰ巻より 第1番 プレリュード ハ長調
プレリュード(前奏曲)は、教会にてオルガニストがミサの前に、オルガンの調子をみながら参会者の気持ちを高揚させるべく演奏したものですが、バッハの頃にはフーガの前に置かれた比較的自由なスタイルの楽曲となりました。

L.クープラン(1626-1661) 
 ◇プレリュード(ノン・ムジュレ) イ短調
   全音符のみで書かれリズムは特に指示されず、小節線も無い楽譜のプレリュード。
F.クープラン(1668-1733)
  クープランはルイ14世と15世の時代の音楽家として、人名、風俗、自然、感情といった種類の優雅で象徴的な(しかも裏の意味が秘められた)題名を持つ描写的な作品を多量に書き遺しました。その多くには、後宮に集う人々の赤裸々な生き様が描かれ、Portrait(肖像画)とも云われています。
 ◇第14組曲(14ièm ordre)より 
    「恋するナイチンゲール」・・・・恋する鳥の囀りが模倣されている
    「嘆くホオジロ」
 ◇第6組曲(6ièm ordre)より
    「羽虫」・・・・・・・・・・メーヌ公爵夫人へのジョークも含まれているとか。
  ◇第3組曲(3ièm ordre)より
    「後悔」・・・・・・・・・・コンティ公(ルイ・フランソワ1世)への哀惜か?
 ◇第13組曲(13ièm ordre)より
    「百合の花開く」・・・・・・・・百合はフランス王家の紋章、純潔の象徴。
  ◇第18組曲(18ièm ordre)より
    「ティク・トク・ショク、別名マイヨタン」・・綱渡りで有名だったマイヨ(Maillot)一座が描かれている。
                    曲芸的な作品で、2段鍵盤を駆使して奏する曲で、ピアノでの演奏は不可能。
  ◇第6組曲(6ièm ordre)より
    「神秘の障壁」・・・・・・・・・障壁とは仮面舞踏会の仮面の意?ともされるが真意は不明。
                    リュートの書法が用いられている
J.P.ラモー(1683-1764)
絶対王政から市民の時代への移行が始まった頃、分かり易い、ドラマティックな音楽が求められました。
ラモーはこの時代に沢山のオペラを書き、和声論も著作も残しました。
◇「タンブーラン」・・・・この曲は御存知の方も多かったのでは?
◇「雌鶏」    ・・・・・・2羽の雌鶏(或いはツガイ?)のやりとりが聞こえます
◇「エンハーモニク」 

【ピアノ演奏】 
 L.V.ベートーヴェン(1770-1827)
   ピアノソナタ第8番「悲愴」Op.13 全楽章
タイトルは、ベートーヴェンは作曲後「悲愴」と付けたという解釈が有力視されている。1798年、27歳の時の作品で、若者らしい悩みや、若さゆえの苦悩、からくる「悲愴」なのかもしれない。




☆☆☆☆☆ 一口レポートの抜粋 ☆☆☆☆☆


◆生まれて初めて見たチェンバロ。形はピアノに似て音はハープに似ている。楽器の構造を詳しく説明頂き感激です。
◆チェンバロの音楽は、自然や動物を表現したものが多いと思うが、その光景を思い浮かべながら聴くと、想像力が豊かになりそう。
◆チェンバロを初めて見て、聴かせて頂きました。柔らかくて聴きやすかったです。ピアノと比べると違いが分かった気がします。
◆チェンバロを初めて聴きました。繊細な音はステキでした。けど、ピアノの方が好きかもと思いました。
◆本物のチェンバロの音は素晴らしい、電子楽器とは違うと思った。
◆繊細な構造から繊細な音が流れ出る、美しい装飾に目を奪われました、耳に残る演奏だった。



☆☆☆☆☆ 上田先生から丁寧な回答が ☆☆☆☆☆


◆天井の低い部屋でのピアノ演奏では強く弾く曲よりも、弱音の美しい「月光」等の曲が聴きたかった。
Ans.「月光」は、全楽章弾くと「悲愴」以上にダイナミックなのですよ。次回(10/15)に演奏する予定です。

◆チェンバロなど木製の楽器は外気により絶えず調律が必要、鉄枠の現在のピアノと比べて興味深かった。
Ans.現代のピアノのフレームに用いられている金属は鋳物です。鉄製と説明してしまいましたが私の間違いですので訂正させてください。ちなみに弦はスチール(鉄)、或いはブラス(真鍮)です。

◆チェンバロの演奏は物語りの語り部のような情景の想像できる音楽が演奏できるのですね。現代音楽も聞いてみたいものです。
Ans.斬新な響き、際立つリズムが魅力なのでしょう。現代作曲家もチェンバロ作品を書いています。

◆チェンバロの音色すてきですが宗教音のように聞こえるのは私だけでしょうか。
Ans.教会の楽器としての代表格はむしろオルガンの方でしょうね。でもチェンバロも似合うと思います。

◆以前からチェンバロの音色が好きでした。今日は生の演奏が聴け感動でした。モーツァルトの生家で見たあの小さな楽器は、チェンバロだったのでしょうか? あの頃の旅行を思い出しました。
Ans.横長・箱型の楽器ですよね。クラヴィコードだと思います。小型のピアノもあった筈です(私は行ったこと無いのですが・・・)。

◆「ピアノという楽器は、チェンバロと比較して強音(フォルテ)よりも弱音(ピアノ)を奏でることができることに意義がある」という上田先生の説明は、刺激的で示唆に富む指摘であった。
Ans.この説明は私の勝手な思いを込めた解釈にすぎません。学説ではないことを御承知おきください。
歴史を辿るなら・・・クリストフォリの発明とされる「Gravicembalo col piano e forte(弱い音も強い音も出せる大型チェンバロ)」については、1700年頃のメディチ家の収蔵楽器目録にあるだけで、楽器そのものは現存していないそうです。現存する最古のものは、1720年に製作されたもので、試作機も含めると、1700年までにこの楽器そのものは制作されていたと思われます。「ピアノフォルテ」または「フォルテピアノ」という名称は、上記のクリストフォリの楽器「ピアノもフォルテも出せるチェンバロ」に由来するもので、同じくピアノ製作者であったジルバーマンは「フォルテピアノ」と呼んでいたとか。1736年頃には、ジルバーマンが自作のピアノをJ.S.バッハに酷評されたことで、その改良に駆り立てられ、1747年に改良されたピアノをフリードリヒ大王の前でJ.S.バッハに披露し、高い評価を得ています。 現代のピアノは、長い年月と紆余曲折を経て生まれきたのです。


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コメント

チェンバロの生演奏を聞くなんて、めったにない機会を得られた事を幸せに思います。
決して力強くもドラマチックでもない優しい音色に、心地良さと安心感を覚えまたのは私だけでしょうか。
2018-09-20 16:30 | #- URL [ 編集 ]

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